2012年12月12日水曜日

チームワーク

One for all,All for One. 
この言葉は、ラグビースピリットを表す言葉としてよく知られている。
(元々はアレクサンドル・デュマの名作「三銃士」に由来するという。)

ラグビーでは楕円型ボールを扱うので、落ちたボールはどちらに跳ねるのか分からないから面白い。上記の言葉はこのフォローに全員が無駄なく動いている状況を言うと私は思っている。
何のためかというと、チームの勝利のためである。All for OneのOneは個人のためというより一つの目的(すなわち勝利)という方がわかりやすい。(平尾誠二氏(元全日本監督)も同じことを言われていることを最近知った。)

勝利のためには、全員がボールのある状況を判断し、変化に対応出来るように集中していることが必要である。その為に、まずは全員がプロにならなければならない。

試合は、刻々とかつ激しく変化するため、なかなかフォローができないが、しかしその中で勝利のために自分が今何をするべき立場にあるのかを考え、指揮者の下(作戦や計画の下)、言われなくても実行していくことがプロの役目である。そんなチームは強い。

「自分だけ何とかよければ良い」という気持ちが強くなってくると、スタンドプレーが生まれ、他人に責任を転嫁していくことがまかり通るようになり、チームは敗北する。

企業のチームワークはこれと似た所がある。
個人技にたよる組織とチームが協力しあう組織とでは長期戦では後者が勝利する。
総合力を発揮せよ、協力して頑張れ、いつも言われるのだが、なぜか今一になってしまうことが多いのは何故か?組織に勝つことへの執念が衰えるときそれはより明瞭になる。

スポーツの世界にはまず「想定外」の出来事はない。
企業においても、裏分析をすすめているならば、「想定外」は起こりえない。
「想定外」を想定していくのが裏分析だからである。そのような組織にしていくのは、社員一人一人の自覚と決意以外にはない。

ところが、悲しいかな、人間は、いくつになっても、過ちや、ねたみや、嫉妬や、怒りから脱することができない。出家して深山渓谷に分け入って滝に打たれ、荒行をしても困難だというのが仏教の教えである。

「報連相(ほうれんそう)」という言葉がよく言われる。
「報連相」は根底から改善の出来ない人々からなる組織のために先人が考えだした経験的知恵だと思う。うまく活用していただきたい。

                       ㈱アール・エム・アイ    江嵜 為丸