2011年10月31日月曜日

10月度勉強会のご報告

今年の夏から、公開での勉強会を開始した。10月度は「マーケティング」に関連する2題をテーマとした。
一つは「営業活動の最小化」と言うサブタイトルで、中小企業診断士 山野井章一さんが担当された。
このタイトルのべースはドラッカーの「マネジメント」から「マーケティングの理想は販売を不要にする事」「目指すものはおのずから売れるようにすること」にある。ブランド価値について、体験に基ずく実例を挙げての色々な説明があり、それらによる討議、意見交換などを行った。
もう一つは「リスクマネジメント」との関連についてであり、これは江嵜が担当した。
これはマーケティング活動の中にあるリスクと言う事で、「時代の大きな流れに対応しない事が結果として最大のリスクになる」と言う考えから、時代を見る力を養っていこうと私見を述べさせて頂いた。若干討議時間不足だったので再度実施する予定。

尚、山野井さんの発表は、「きょうとマーケティング研究会」の10月例会で講演の機会を得た。

次回の勉強会は、11月9日(水)13時~15時 テーマ「女性の潜在的仕事力を見直す」です。
場所は、(株)アール・エム・アイ会議室を予定しています。自由にご参加(無料)できます。
準備の都合上事前にご連絡ください。
メール:esaki@rmicon.co.jp
                           (株)アール・エム・アイ 江嵜 為丸

2011年10月27日木曜日

ISO運用改善講座

こんにちは、RMI田邉です。

「ISO運用改善講座~9001管理責任者・事務局のためのシステム改善ネタ探し~」を10月25日開講しました。

管理責任者・事務局の方が、どんな視点で9001の運用に取り組めばいいのかを演習を交えながら考えようということが目的の講座でした。

「QMS運用プロセスチェックをやってみよう!」演習では、方針⇒プロセス計画⇒業務活動⇒監視測定サイクルを回すとき、方針(方向性)の策定・実現のために考慮べき項目で、今できていない部分をどう克服するかを計画することを改善ネタ探しスタートにするべく、演習用紙を作成していきました。 「演習用紙の埋まらない部分はシステムの弱い部分です。そこをどう克服するかが課題になります。という講師のアドバイスのもと、皆さん課題をたくさん抽出くださいました。


11月からも、いろいろな講座を
予定しています。詳しくは、HPをご確認ください。 http://rmicon.co.jp/

2011年10月23日日曜日

京都を学ぶ ~経営編~ 第8回 最終回 (井上喬)

5.これからの心配(情報化時代の到来)

~知識の時代を謳歌した京都、情報化時代は大丈夫か?~

 京都には沢山の大学があります。
京都企業からの寄付金は毎年相当な高額と聞きます。
またこんな経験もあります。東京と京都の大学で講義をうけました。
京都の講義は、乱暴というかまとまりが少ない、けれどユニークな何かがある。他方東京の講義は理路整然で、ノートに書き留めるだけで出張報告書が出来あがる。
こうした事情かノーベル賞を受賞した多くの方は、東京でなく京都です。
マサチューセッツ工科大学の畠中さんはこの説明で随分納得されたようでした。

 ただ一方で私は少し疑点を持っています。
ドラッカーさんの「知識こそ最高の資源」という言葉にこだわり過ぎていないでしょうか。

 今や情報のシステム化が新たなものを、生み出しつつあると思います。所謂情報化社会の出現です。
「知」を中心に据えた京都型経営、果たしてこの先どうだろうか、社会はその様子を大きく変えようとしていると聞きます。
知識があるといわんばかりのやや偏屈な京都人。
そうした人が集まって「どうだ賢いだろう」といった行動、果たしてこの先続いていけるのだろうか?
「知識社会」から「情報化社会」へ移行しつつある中で、果たしてこれでよいのでしょうか?


(終わりに)

「偏屈型の京都」この先どうなるでしょう。
「気位が高くて一見さんお断り」の京都、孤高という言葉が死語になるのでは、「もっと知識を、もっと創意を」今では知識過剰となったこの街、京都。
今や社会は経済価値から社会価値へと人々が動き始めたと聞きます。
社会への貢献とは、社寺仏閣の数や有難さを唱えて、一見さんを断って達成されるものではない筈です。
京都人とは古い社会の価値の中で威張っている集団と言われる心配、こんな大きなリスク。
自身も考え直さないといけないと思っています。



(参考文献)

・李 御寧 「縮み志向の日本人」(底本1984年、再販2007年、講談社学術文庫)
・今井賢一 「情報ネットワーク社会」(1984年岩波新書)
 P-203「形式情報」と「意味的情報」両方の間に新たな分業がおこり、
 人と人の接触の仕方や、組織のあり方を変えつつある。
 (ネット社会と縁社会の連携を指摘されている)
・PFドラッカー 「ポスト資本主義社会」(1993年、ダイヤモンド社)
 P-354「知識人」には、道具としての組織が必要である。
 他方「管理者」は、知識をもって組織の目的を実現するための手段とみる。
  (マネジメントだけが、組織運用の全てではないと指摘されているのではないか)
 (また、「知識社会」を指摘されているが、「情報社会」の言及はない)

2011年10月16日日曜日

京都を学ぶ ~経営編~ 第7回 (井上喬)

4.概念に向かって開発する

3)グローバル化に弱い京都

 私は、現実の経験から次のように理解しています。

 私は京都の企業に長く勤めていましたが、そのなかで10年余を大阪で営業職についていました。
大阪で行動しているとオープンな気持ちになり開放的になります。京都本社にいるときよりも行動的になります。
やはり前に海があり、こせこせした京都が嫌になるのですが、じゃ此処でものごとが全て決まるのかというと、そうでない。
大手企業がそろって東京へ本社を移していく。
重電器のようなインフラ機器を必要とする企業は、多く財閥型企業で、結局は東京の銀行の意向を無視してものごとは決まらない。
この日本で二番目に大きい街が、東京の重石の下にいる思いがする。或いは政治にたよっている。

 大阪地区での営業責任者だっただけに、非常に困惑しました。
最後には開放的な「風土」のせいなのか、いずれにしてもグローバル感覚は京都とは格段の差があることを理解しました。
京都のグローバルは頭の中だけなのか、特に総合商社のテンポには殆どついて行けませんでした。

京都経営の第一のリスクはこのグローバル行動についていけないことでなかろうか、盆地の中の京都ではこの先ずっと片付くことの出来ない大きな壁であろうと、実経験より理解しております。


次回の配信は10月23日を予定しています。

2011年10月10日月曜日

京都を学ぶ ~経営編~ 第6回 (井上喬)

4.概念に向かって開発する

1)一つの挿話、「ドラッカーの登場」であります。

 オムロンの立石社長は、東京で同氏の講座に出席し大いに感銘を受けられる。そして後にオムロンのコンサルテングに迎えられる。そして「社会生態が変わるから、新しい需要が誕生する」という同氏の教えを実地に実行されました。

 私自身、京都電機工業会(いまは存在しません)の会合で、立石さんから直接お話を頂く機会を頂きました「これからは、人手不足が始まりますから、自動化のための道具がいりますよ、難しく言えば『その社会に必要な概念』に向かって開発がいるということです」

 何年か後に、自社内で、このことを実感し幾つかの開発が実現しました。
まさに感謝また感謝でありました。(正直、当時の若造には、少々難解でありました。)

2)前項で述べた各社もまさにこの「概念に向かって開発を進められた」各社であります。

 何故この様な気風が京都に育ったのか、冒頭に述べたマサチューセッツ工科大学の畑中氏との「企業行動の比較検討」でこの点が、かなりの論点になりました。
現地へ来て「何故こんなに特色ある企業が集中しているのか」との発言が何度かありました。
 「先読みの納得社会」だと説明しました。すると「一層解らない」と問い返されました。
「競争が前提ではありません。電気の需要は家庭から個人へと変わって行きました。それを追わずに、何時までも公共インフラや大型工場などの大型機器への、需要を追いかける矛盾をいっているのです。」と説明、併せこうした判断を得るには、卓越した感性が必要でしょうと述べました。

 実際先に挙げた創業者の方々は、大変な感性の持ち主なのです。
オムロンの立石さんは、画筆を持たれる。ロームの佐藤さんはピアノの名手、村田の村田さんは有名な蝶のコレクター、京セラの稲盛さんは仏籍をもたれると説明しました。畑中さん理解を進めていただいたようでした。

ところでこの様な京都経営も一方で、不可解社会と思われるリスクを持っていると思います。


次回の配信は10月16日を予定しています。

2011年10月5日水曜日

おまけの効果 その後

こんにちは。RMI田邉です。

急に秋らしくなってきました。やっとウールに季節になりました。
先日、四条烏丸で暖かそうなストールを見つけ、
寒がりの私は「これで今年の冬はぬくぬくだ!!」と、早速レジに持っていきました。

包んでくれたストールを渡しながら店員さんが「おまけがあるんです。」と言われました。
おまけは、1本の古いフランス映画のDVD。
安くなっているとは言え、普通に本屋さんなどで販売しているものです。

私が購入したストールはおまけとしてついてきた映画をイメージしたものだということ、
映画の雰囲気をストールと一緒に体感して欲しいことを説明してくださいました。

おまけの領域は日々変化しているのですね。

2011年10月2日日曜日

京都を学ぶ ~経営編~ 第5回 (井上喬)

3.京の掟を心に、ドラッカーさんの教えを胸に

2)「お上を頼ったらあきまへん」

 1989年の東京遷都によって、政治に頼った仕事は一瞬にして無くなってしまいました。「権力に頼ることは愚である」これが京都人の得た第二の教訓であります。
要は「顔で売る」「市場を無視した取引を強引にやる」これらを前提にした企業経営はないのだ。
このことを好むと否に関わらず骨に刻まれ、身に沁みこまされたと思います。だから京都企業は東京へ行こうとしない。

島津、オムロン、京セラ、任天堂、ローム、村田製作所、日本電産、ニチコン等などの企業は最近相次いで京都に本社ビルを建てました。
京都企業が次に目ざすのは、東京でなくて世界なのです。
これが京都の経営者の心意気と、思われます。

次回の配信は10月10日を予定しています。