2012年9月2日日曜日

ボルト選手の強みと弱み


ボルト選手、言うまでもなくロンドン五輪の陸上100mのゴールドメダリストである。
先日、彼の走り方を徹底的に検証する測定がなされ、NHKから放送されたのでご覧になった方も多いと思う。

それによれば、彼の弱点は背骨が曲がっていることにある。左右の歩幅が20cmも違うことが、測定の結果分った。しかも、スタートのときに、足の方向が少し曲がっているため、太ももの筋肉の伸縮力(ダッシュの力)が足に充分伝わらず、スタートがわずかに遅くなる。しかし彼は後半の加速度が並外れているために他の選手に追いつき追い越すのだと解説された。

そこで、彼は(コーチの指示により?)スタートダッシュを早めるため (つまり弱みの改良のため) 練習に練習をかさねる。
ところが、この弱みの改良で、確かにスタートは早くなったものの、もともとの強みであった50m以降の加速度が出なくなってしまった。スタート時に脚にかなりのムリがかかり、後半に力を出せなくなったためである。

そこで、彼はロンドン五輪の前に、スタート時の弱みを改良することを断念し、後半の加速度を重視する戦略に戻す決心をした。結果はご承知のとおりである。弱みの改良が強度のサポートに繋がらないとき、狙った効果は出ない。

ビジネスにおいては、強みを伸ばせとよく言われる。
しかし、当社へのコンサルのご依頼は、困りことに対しての解決支援が多い。
弱みを改良させることだけに注力しすぎると、強みの発揮が出来なくなるということもあるのだ。 まずは弱みの解消を図るとしても、強みが弱体化しないように注意し、コンサルの内容を変えていくことが大事だと考えている。

   コンサルワークで企業をご支援する ㈱アール・エム・アイ  江嵜為丸